企業の顧客情報管理や営業プロセスの効率化に必須のCRMツールですが、社内に知見がないと活用できないことがあります。
事実、2022年に株式会社TSUIDEが行った「SFA・CRM導入実態に関する調査」でも、CRMを導入している企業のうち約30%は「活用できていない」と答えています。CRMの導入は費用がかかるので、最大限活用したいですよね。
そんなときに頼りになるのが「CRMコンサルタント」。豊富な知識と経験でCRMの導入から運用後まであらゆる工程のサポートが可能です。
そこで本記事では、CRMコンサルタントの必要性や選び方を解説します。CRMを積極的に活用していきたい方は、ぜひ本記事を参考に正しい知識と活用方法を学びましょう。
CRMツール(以下、「CRM」と呼ぶ)をこれから導入する企業はもちろん、すでに利用している企業でも「本当に自社に必要なのか?」と疑問を持つ方は少なくありません。
まずは、改めてあなたの会社にCRMが必要な理由をお伝えします。
CRMは顧客関係の強化に必要になるツールですが、toBやtoC関係なくビジネスの継続と成長には新規の顧客獲得が欠かせません。
しかし、一般的に新規顧客の獲得には既存顧客との関係維持にかかる費用の5倍必要だと言われます。日本は人口減少も進んでおり、今後見込み客の数も減少していくでしょう。
そのため、新規顧客の開拓に労力を注ぐよりも既存顧客との関係を継続させることに注力することが重要視され始めているのです。
CRMを利用すると過去の顧客とのやり取りを正確に記録でき、要望に適した商品の提案や情報の引き継ぎが簡単になります。その結果、顧客の不満を減らして信頼関係を深めることができます。
CRMは購買履歴やコミュニケーション履歴などさまざまな顧客情報を管理できます。なおかつ、それらのデータを分析して、それぞれのセグメントに合わせた個別のマーケティング施策を企画することが可能です。
たとえば、過去の顧客情報を分析して各顧客におすすめの商品を提案したり(レコメンデーション)、興味のある情報だけをメールで届けたりできます。
それぞれの顧客に合わせた提案を行うことで、より効率的なマーケティング活動が可能になります。
ビジネスにおいては、出張の申請、議事録の作成、商談の日程調整など、時間がかかるルーティン業務があります。重要な業務ではあるものの、手作業で行うと無駄に時間が取られて本業が滞ってしまう経験をした方は多いのではないでしょうか。
このような作業に対して、CRMを活用することで生産性の低いルーティン作業を自動化できます。
簡易的な業務を自動化して無駄な作業を削減し、さらに顧客データを活用した効率的なマーケティング施策を実施することができます。メールシステムや顧客対応も自動化させれば、そのほかのコストの削減も実現できるでしょう。
このようにCRMで業務を効率化することで、社員の生産性向上とコスト削減が同時に達成できます。
CRMサポートセンターでは、企業がCRMを活用して利益を最大化するにはコンサルタントによるお手伝いが欠かせないと考えています。その理由は主に3つです。
それぞれの理由について、詳しく解説します。
CRMによる業務効率化やコストダウンの実現には、導入時の制度設計が大きく影響します。制度設計が不十分だと、CRMを最大限活用することができず、かえって生産性が落ちてしまうことがあるのです。
よくある例として、業務プロセスの見直しを行っていないことがあります。これまでの業務プロセスはCRMがない前提で考えられているはずです。そのため、CRM導入後と導入前の業務プロセスは変わります。
もし業務プロセスの見直しを行わずにCRMを使っていると、効率化して浮いた時間を有効活用できずに生産性が落ちてしまうことがあるのです。
そのため、初期の段階でコンサルタントが入り、企業の業務プロセスの棚卸しから一緒に考えてCRMの使い方を考えていくことが大事です。
CRMは基本機能だけでも豊富にあります。SFA(営業支援システム)やMA(マーケティングオートメーション)機能、商談履歴の管理など多岐にわたるニーズに対応可能です。
しかし、機能が豊富すぎて効果的な使い方ができずに運用がうまくいかないことは少なくありません。
導入段階からコンサルタントが入り指摘ができれば、最適な機能の選定と活用方法のアドバイスができます。
企業によって顧客情報の管理方法や業務プロセスは異なります。したがって、CRMをそのまま利用すると使いづらかったり、カバーできない業務が発生することがあるのです。
そのような問題を阻止するためには、企業の業務内容に合わせたCRMのカスタマイズや既存のビジネスアプリとの連携が必要になります。
しかし、これらの作業を一般のユーザーが行おうとすると時間がかかり、設定を間違える可能性もあります。結果、本来の業務が滞り顧客対応が遅れてしまうという別の問題が発生するかもしれません。
このようなリスクを避けるためにコンサルタントの協力を得ることをおすすめしています。
CRMコンサルタントの重要性は伝わったと思いますが、どの企業や人物に依頼をしたらいいのか迷ってしまうでしょう。
そこでここでは、信頼度の高いコンサルタントを選ぶための3つのポイントを紹介します。
CRMコンサルタントの実績は信頼性を測る重要な項目です。
このような実績を参考にしてコンサルタントを選びましょう。
CRMコンサルタントがカバーできる業務範囲がどの程度あるのかきちんと確認しておきましょう。
上述したようにCRMの利用は初期設計が重要ですが、コンサルタントによって得意不得意があります。運用後のサポートに特化していることもあれば、導入までしか受け付けていない場合もあるでしょう。カスタマイズや外部アプリ連携に関しては、苦手としていることもあります。
そのため、自社のニーズに合ったサービスを提供できるCRMコンサルタントを選ぶことが、効率的なサポートを受けるために重要です。
CRMの提供企業が「認定パートナー」として紹介していることがあります。いわゆる「このCRMについては、この方達も詳しいですよ」という意味で、提供企業の承認を受けた会社です。
このような認定パートナーは、CRMの導入や活用方法において高い専門性と信頼性を持っているといえるでしょう。そのため、導入予定のCRMに関して認定パートナーかどうかも重要な判断ポイントです。
CRMサポートセンター(株式会社etika)は「Zoho」の認定パートナー
CRMコンサルタントへの依頼料は、利用するツールやサポート範囲によって大きく異なります。
ただ、一般的には「10万円程度」から依頼できたり、利用するCRMが高額であればコンサルティング費用が「100万円」を超えたりする場合もあります。
具体的な費用に関しては、前項の選び方のポイントを参考にしながら選定したコンサルタントに連絡してください。
また、無料相談を受け付けている企業に相談する方法もおすすめです。
CRMの導入や使い方に関するコンサルティングを依頼した場合の流れについて解説します。ただし、コンサルタントによってはプロセスの順番が変わることがあるので注意が必要です。
そこでここでは、具体的な例として「CRMサポートセンター」が行っているCRMコンサルティングの流れを紹介します。
まずは顧客のビジネス目標や業務フロー、CRM導入に対する期待のヒアリングを行います。既存の顧客管理プロセスや改善したいポイントを特定することで、CRMに必要な機能や連携する他のシステムを明確にするステップです。
そして、ヒアリングした内容をもとに企業に最適なツールの選定を行います。
ヒアリングを行ってから導入するツールが決定したら、次は既存の顧客データや取引履歴、お持ちの名刺などを電子化し、CRMに投入していきます。
CRMの利用時に気になるポイントが、既存アプリケーションやソフトウェアからのデータ移行や連携です。
自社独自のアプリケーションがあると、CRMと連携できるか不安になる方は多くいます。
移行や連携が可能かどうかは、CRMとの互換性やAPIの確認をコンサルタントが実施。難しい場合には独自のカスタマイズにも対応可能です。
その後、CRMの統合作業を行い動作確認とテストをして、CRMをハブとしたデータ連携が可能な状態を構築します。
CRMの導入からアプリ連携、カスタマイズの完了後は、改めて運用プロセスを一緒に考えていきます。
顧客の課題や営業プロセスなどを再度見直して、新しいCRMシステムに合わせた業務フローの策定、社内の利用ガイドライン、操作マニュアルの作成、システム運用に関するトレーニングとサポートを行います。
「4」で策定した運用プロセスやCRMが定着できているか、問題がないかを一定期間後にレビューする工程です。レビュー期間はコンサルタントによりますが、1ヶ月ほどでは十分な効果測定ができない可能性があるので、CRMサポートセンターでは策定から3ヶ月後に検証を行います。
期待された効果の検証を実施して、必要な調整や改善点があれば修正を実施します。
CRMの導入時や運用、乗り換えの際には、コンサルタントの協力が欠かせません。 デジタル変革(DX化)が叫ばれる現代において、コンサルタントの協力を得ることで、CRMを最大効率で稼働させることが可能となります。
その結果、より多くの顧客に適切なアプローチができるようになり、顧客関係の強化や売り上げの向上につながります。CRMを最大限活かすために、制度設計の段階からコンサルタントと一緒にCRMの活用方法を検討してみてはいかがでしょうか。