DXの推進が待ったなしとなった現在、中小企業においてもビジネスの競争力を高めて、業務効率を向上させるためにCRMツールの導入は不可欠です。しかし、ツールの選定を誤ったために使いこなせず、コストばかりがかさむケースは少なくありません。
CRMサポートセンターにもよくご相談をいただきますが、その中で特に多いのが代表的なCRM「Salesforce」を導入したが期待したような成果が上がらないケースです。CRMの導入と運用をサポートするCRMサポートセンターでは、中小企業にとって最適なCRMツールは「Zoho CRM」だと考えています。
そこでこの記事では、Salesforceからの移行を検討している企業に向けて、SalesforceとZohoの機能、価格、導入難易度や使い勝手を徹底比較し、それぞれのメリットとデメリットを明示します。CRM選定で失敗しないためにぜひ参考にしてください。
PR:当社ではSalesforceからZohoCRMへの移行支援サービスを提供しています。
米国サンフランシスコに本社を置くSalesforce社とインド南部に本社を置くZoho社は、どちらも世界各国に拠点を持つグローバルIT企業です。
本社の社員数は、Salesforce社が約3万6千人、Zoho社は約1万人。Salesforce社は2000年に、Zoho社は2001年に日本法人を設立しています。
CRM製品の特徴は、2社ともに多機能でカスタマイズ性に優れています。ただ、Salesforceは社内にIT要員がいる大企業やITリテラシーの高いスタートアップでもっとも力を発揮するツールで、ZohoはIT要員がいない中小企業でも使いやすいツールです。
Salesforceは世界の約30%以上のシェア(2023年11月現在)を持つ代表的なCRMツールです。
Salesforceの普及によってビジネスの世界でクラウドサービス、Saas、サブスクリプションなどの概念が広がったと言っても過言ではありません。
本記事で比較するSalesforceの「Sales Cloud」は、CRM(顧客管理ツール)でありSFA(営業支援ツール)でもあります。マーケティング、カスタマーサポート、営業など複数の部署にまたがる顧客情報の一元管理が可能です。
導入企業はNTTコミュニケーションズ、日立ハイテク、派遣事業のパソナなどの大企業を中心に中堅企業や中小企業にも広がっています。
ただ「CRMといえばSalesforce」という知名度ゆえに、あらゆる規模の企業が自社との適性を十分考慮せずに導入していることが問題ともいえます。多くの企業において、高額なツールを導入したにも関わらず、「使いこなせない」「コストが負担」「費用対効果が悪い」などの悩みを耳にします。
Salesforceは多様な活用に応える優れたツールですが、そのぶん活用するために学習することが多く、習得には時間がかかります。また、自社ではなく外注でカスタマイズを行う場合、Salesforceのエンジニアのコストは高騰する傾向があり、コスト高になりがちです。
Salesforceにおいて、ITリテラシー・スキルが十分でない担当者が、従来の日常業務と並行して操作方法に習熟し、データ構造を把握するまで学習を継続するのは容易ではありません。
組織規模や自社のIT要員のリテラシー・スキルに合った使いやすいツールを選択することが何よりも重要です。
Zoho CRMは世界で25万社以上が導入、1億人超のユーザー(2023年11月現在)がいるCRMツールです。
SFA(営業支援)ツールおよびMA(マーケティングオートメーション)ツールとしても使える機能を備えています。
Zoho CRMはITリテラシーがそこまで高くない中小企業で使いやすいツールをコンセプトに開発されました。
日本の全ビジネスの売上の約半分、雇用の約7割を生み出している中小企業が、喫緊の課題として抱えているのがDX(デジタルトランスフォーメーション)です。いわば、IT化に失敗している時間的余裕がない状況で、顧客管理や営業のDXに必須のCRMは中小企業が使いこなせるツールを選択することが重要です。
ゾーホージャパンは、Zoho CRMが日本の中小企業に選ばれる7つの理由として下記をあげています。
参考:中小企業向けCRMツールとは?CRMの選び方や導入効果を解説 | Zoho CRM
SalesforceとZoho CRMの料金、カスタマイズ性、操作画面の分かりやすさを比較します。各項目を比べて自社に最適なツールはどちらなのか考えていきましょう。
どちらもクラウドサービスなので、導入時にサーバー設置などの初期費用はかかりません。そのため、SalesforceとZoho CRMの初期開発費用、月額使用料、保守・運用費用を比較します。
CRMは運用開始までに自社の業務内容に合わせた初期開発が必要です。中小企業は自社開発する余裕がない場合がほとんどなので、初期開発やインプリメンテーションにはサポート業者の支援を受けることをおすすめします。
初期開発費用はサポート業者によって異なりますが、一般的な相場としてはSalesforceが約90〜500万円、Zoho CRMが約30〜200万円ほどです。※企業規模や適用業務範囲によります。
SalesforceとZoho CRMの1ユーザーあたりのライセンス費用を比較すると下表のようになります。
Salesforce Sales Cloudの月額料金(年間契約ベース)
参照元:Salesforce公式サイト
Zoho CRMの月額料金(年間契約ベース)
参照元:Zoho公式サイト
プラン名と金額だけで単純に比較はできませんが、両社ともに導入例の多い上位から2番目のエンタープライズプランを比較すると、下記のようになります。
●エンタープライズプランの1ユーザーあたりのコスト
Zoho CRMはSalesforceのほぼ1/5の低価格です。
CRMは複数のユーザーが多年にわたって使用するものなので、上記の価格差は非常に大きなものになります。
コストの考え方はさまざまですが、たとえば低価格のZoho CRMでできることをSalesforceで行っていたとすれば、不要なコストを使っていたと言わざるを得ません。会社が拡大してユーザー数が増え、長期にわたって使用するほどコストはかさみます。
ランニングコストには、ライセンス料金の他に保守・運用費用があります。
業務プロセスや業容の変更などに伴う大幅なカスタマイズは、ITツールに精通した社員がいなければ社内で対応することは難しいです。そのため、専門のプロであるサポート業者の支援を受けることをおすすめします。トラブル対応も同様です。
保守運用にかかる費用もケースバイケースですが、Salesforceの方がZoho CRMよりコストがかかることが多いでしょう。
SalesforceもZoho CRMもカスタマイズ性に優れたツールです。業務の特性やビジネスの成長に合わせて柔軟にカスタマイズできます。
しかし、柔軟にカスタマイズできるのは、ほとんどのCRMは自社の業務に合わせてカスタマイズしなければ使いにくいツールだからです。
同じクラウドサービスでもZoomやChatworkならデフォルトの機能で十分に用が足りますが、CRMは初期設定の段階である程度のカスタマイズが必要です。CRMの初期設定が初期開発と呼ばれるのはそのためです。
初期開発を中途半端に行ってしまうと、CRMが社員に定着せず、かえって業務効率が下がる可能性があります。
CRMのカスタマイズは大きく分けると下記の2つです。
担当者レベルのカスタマイズでも、SalesforceはITに慣れていない人にとっては項目量が多く、表示やインターフェースに迷うことがあるかもしれません。
その点、Zoho CRMはIT初心者でもドラッグアンドドロップで、使いやすくカスタマイズすることが可能です。
大幅なカスタマイズはSalesforceはもちろんZoho CRMでも専門業者のサポートが必要です。費用はやはりSalesforceよりもZoho CRMが低価格で済む場合が多いでしょう。
CRM初心者にとって操作画面のわかりやすさが、まずなによりも重要です。インターフェースがわかりにくいと、データの入力がどうしても遅くなり、情報間にタイムラグが生じます。これでは「リアルタイムでデータを共有できる」というCRMの価値が半減してしまいます。
UI(ユーザーインターフェース)では、中小企業での活用をコンセプトに開発したZoho CRMが格段に使いやすくなっています。データの表示や項目のレイアウトは、担当者の津使い勝手が良いようにドラッグアンドドロップでかんたんにカスタマイズが可能です。
わかりやすいUIは担当者に次のような変化をもたらし、社内での定着率・活用率の向上に寄与します。
もちろんSalesforceのUIがユーザーフレンドリーでないという訳ではありませんが、初心者へのフレンドリーさではZoho CRMに軍配が上がります。
ここまで述べたことを「ツール比較のポイント」という観点で整理してみましょう。重要ポイントは次の3つです
CRMは導入してすぐに効果が現れるものではありません。また、数年に一度は買い替えるというものでもありません。
CRMは10年、20年と使い続けることを前提にコストを考慮し、その負担に耐えられる製品を選択することが重要です。
CRMは企業の成長によって必要な機能や使い方が変わってきます。その際にカスタマイズが難しいと、多大なコストがかかる上に作業効率が下がってしまう可能性があります。
そのため、カスタマイズが容易なこともCRM選定の重要なポイントです。
CRMによる業務の可視化や効率化は、担当者が使いこなせて初めて実現する効果です。
今いる社員が使いやすく、使う気になるインターフェースが用意されていることは、CRM選定の最重要ポイントと言っても過言ではありません。
コストの負担も使いこなして業績が上がることで軽くなります。もっともコスト負担が重いツールとは、社内に定着しない「使われないツール」です。
比較のポイントを押さえて自社に最適なツールを選んでも、ツールが決まっただけで業務効率化が実現するわけではありません。
CRMツールの導入に失敗しないためには、以下の3点を社内でしっかりと確認・徹底することが大事です。
ツールを導入する目的が曖昧だったり、社内で認識がずれていたりすると運用が定着しません。
CRMの目的を「顧客との関係性を強化すること」と言うだけではなく、自社において顧客との関係性のどこに課題があるかまで明確にする必要があります。
たとえば、マーケティング部門とフィールド営業部門で見込み客の育成やスコアリングで意見の相違や対立があるのが課題だとすると、その解決のためにCRMをどう使うかを共有することが重要です。
CRMの導入前に、なぜこのツールを使うのか、何を目的としているかを議論し、認識を共有しましょう。
CRMの導入にあたっては、現在の業務プロセスの棚卸しや使用ツールの洗い出しをしておくことが、初期開発のために欠かせません。
また、CRMの導入によって、社内の業務プロセスにある程度の変更が生じます。その変更に合わせて運用プロセスや業務フローを見直すことで効率化が最大化します。
意外かもしれませんが、ツールを定着させるためには担当者の努力だけでなく、責任者の努力も欠かせません。
CRMの活用についてマネージャーが担当者と具体的な話ができないようでは、担当者のパフォーマンスも低下します。現場任せにするのではなく、責任者が率先して活用したり、改善したりする意識を持つことが大切です。
CRMの活用がツボにはまると、営業効率も業績も飛躍的に向上します。
そのために必要なのは、社員が使いこなせ、コストをまかなえる自社にあったツールを選択することです。
これからビジネスのDX、IT化を推進しようとしている中小企業には、Salesforceよりもコスパがよく使いやすいZohoCRMをおすすめします。
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